金曜の夜に
4
4
深夜、コンロ前。お取り寄せしたご当地餃子を焼きながらつまみ、ビールで流し込む。餃子の熱が口を踊らせ、ビールの冷たさが喉に爽快な刺激を走らせる。
おおい、と戸の奥で声がする。僕の餃子とビールはまだかな、と夫がリビングで叫んでいる。だがきっとそれは空耳。飲み会で遅くなるからね、そういって夕刻に家を出た夫が夜明け前に帰るはずがない。
それだから私は私の為に、特別な麦酒とその肴を用意したのだ。ああうまい、呟きながら私は耳に音の流れる栓をする。降り注ぐミュージックシャワー。浮き飛びそうな心でまた、至福のホット&クール。ねえ僕にもちょうだいよ、戸を開けてきた涙目の夫。私はただ目を細める。やっぱり家で君と飲むのが一番だなって、最近思うんだ。夫が小声で何かいっている。洗い物はするからさ。その言葉で私は口の端に笑みを浮かべて頷き、輝く麦酒と餃子が三つだけ入ったフライパンを差し出した。
おおい、と戸の奥で声がする。僕の餃子とビールはまだかな、と夫がリビングで叫んでいる。だがきっとそれは空耳。飲み会で遅くなるからね、そういって夕刻に家を出た夫が夜明け前に帰るはずがない。
それだから私は私の為に、特別な麦酒とその肴を用意したのだ。ああうまい、呟きながら私は耳に音の流れる栓をする。降り注ぐミュージックシャワー。浮き飛びそうな心でまた、至福のホット&クール。ねえ僕にもちょうだいよ、戸を開けてきた涙目の夫。私はただ目を細める。やっぱり家で君と飲むのが一番だなって、最近思うんだ。夫が小声で何かいっている。洗い物はするからさ。その言葉で私は口の端に笑みを浮かべて頷き、輝く麦酒と餃子が三つだけ入ったフライパンを差し出した。
その他
公開:25/10/27 21:19
更新:25/12/05 11:21
更新:25/12/05 11:21
ログインするとコメントを投稿できます