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ギィ…
古びた洋館の門をくぐると吸血鬼風な紳士に出迎えられた。
(こんばんは)
「こんばんは。さぁ、こちらへ」
紅く潤んだ月光の射し込む螺旋階段を上がった先にはダンスホール。仮面にドレスや頭にカボチャを被ったタキシード姿の人達がステップを踏み鳴らし踊っている。
(楽しそう)
「私がエスコートいたします。その前に…」
どうぞと渡されたのは拍手の如くパチパチと爆ぜる紅のビール。
(飲むの?)
「えぇ、思いっきり」
両手でジョッキを持ち上げ口付ける。
…ゴクッ!?
久々の感覚に大きく目を見開いた。全ての音が私の体で鳴る事を終えて以来、喉越しの音を感じる事など無かったから。
「貴女の鼓動が再び鳴る事はありませんが…」
差し出された手に微笑み、自分の手を重ねる。
「今宵はハロウィン。心ゆくまで音を奏でて」
ダンスフロアへ踏み出した私のガラスの靴がコツーンと透明な音を響かせた。
古びた洋館の門をくぐると吸血鬼風な紳士に出迎えられた。
(こんばんは)
「こんばんは。さぁ、こちらへ」
紅く潤んだ月光の射し込む螺旋階段を上がった先にはダンスホール。仮面にドレスや頭にカボチャを被ったタキシード姿の人達がステップを踏み鳴らし踊っている。
(楽しそう)
「私がエスコートいたします。その前に…」
どうぞと渡されたのは拍手の如くパチパチと爆ぜる紅のビール。
(飲むの?)
「えぇ、思いっきり」
両手でジョッキを持ち上げ口付ける。
…ゴクッ!?
久々の感覚に大きく目を見開いた。全ての音が私の体で鳴る事を終えて以来、喉越しの音を感じる事など無かったから。
「貴女の鼓動が再び鳴る事はありませんが…」
差し出された手に微笑み、自分の手を重ねる。
「今宵はハロウィン。心ゆくまで音を奏でて」
ダンスフロアへ踏み出した私のガラスの靴がコツーンと透明な音を響かせた。
その他
公開:25/10/31 00:00
更新:25/10/25 11:19
更新:25/10/25 11:19
可愛い系狼男風か
大人な吸血鬼風の
どっちにするかで迷った
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旅人なのでいたりいなかったりします
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ネモフィラの旅人