おいしい話

貴方は、人生の最後に何が食べたいですか？
私はあの世の料理人。貴方の未練を断ち切る為、貴方の食べたい料理を何でも作ってみせましょう。
何せここはあの世ですからね。もうなくなってしまった料理もここに来ているわけです。だから、母の手料理だろうと生ユッケだろうと、何だってお作りいたします。
…と、言いたいところですが、生憎私は未熟者。人間の方はあちらへどうぞ。
で、君達はこっち。私はペット担当。飼い主に愛された君達は、最後に何を食べたい？
もう一度でいいから、飼い主の手からおやつを食べたい？OK任せて。
生きている飼い主さんには悪いけど、その手、ちょっとお借りしますね。
借りている間は痺れて動かせなくなるけど睡眠中だし大丈夫だろう。
…どう？美味しい？良かった。これで君は成仏できるね。行っておいで。
ふぅ…この仕事は動物好きの私にとって天職だ。おいしい仕事にありつけて、充実した毎日を送っている。