貧しくても さみしくても

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その家は とても貧しくて
そのことは その家のねこだって
じゅうじゅう承知しています

だから おもちゃを買い与えてもらえないことも
ねこは ちゃんと理解できていましたし
がまんも できていました

でも
やっぱり
さみしい

夜 ひとりで寝るときなんかは
とくにさみしい

それで ねこは
考えました

ねこは
自分のしっぽを
やさしく抱きしめました

かわいいぬいぐるみであるかのように
だいじに だいじに 抱きしめました

しっぽをかおに ふぁさふぁさしたりしました

その夜
ねこは
ひさかたぶりに
笑いながら眠りにつきました
















.
その他
公開:25/10/19 02:11

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