罪
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夏休みの工作の宿題で処刑台を作ってきたのは僕だけだろう、と思っていた。しかし、クラスメイトの男子も同じく処刑台を作っていた。そいつは顔も頭も運動神経も良くて女子からの人気は絶大だったけど性格は最悪で、僕は大嫌いだった。そいつが作った処刑台は、悔しいけれどとてもよく出来ていた。これならどんな重犯罪人でも難なく処刑できるだろうという感じだった。女子の中には、私これで処刑されたい、なんて言う奴もいた。それに比べて僕の処刑台のみすぼらしいこと。処刑の実験に使う猿すら処刑できるかわからない。僕はとても恥ずかしくて、いっそのこと「工作うまくできなかった罪」で処刑してほしいと思った。
ホラー
公開:25/10/22 11:16
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象