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読まないままでは心残りだと駅前広場で小説を読み進める。日は暮れ青色灯の下、残り僅か。完読すればこのまま…
「飛び込もうってのかい」
いつの間にか隣に老人が座っていた。見透かされた驚きと青い光に照らされた老人が不気味で思わず声に出た。
「死神なのか」
「青色防犯灯はそんな気持ちにならないように設置されてるんだがな」老人は笑いながら、本を指差した。
「その作者、相当ビール好きなのか作中によく出てくるんだ。それも美味そうな描写で」
まさに今読んでいる場面がそうだ。
「その本をビールに変える魔法をかけてやる」
本に手をかざしブクブク唱え始めた。酔っ払いに絡まれたのかとやっと気づいた。虚しく視線を戻す。
「…ビールだ」
老人は手を動かし見開きの下から上に影を動かす。青色灯の影は白地に黄色の影を落とす。途中で止め泡の部分を残した。
「本だけにな」という捨て台詞の意味は、ビールを飲みながら気がついた。
「飛び込もうってのかい」
いつの間にか隣に老人が座っていた。見透かされた驚きと青い光に照らされた老人が不気味で思わず声に出た。
「死神なのか」
「青色防犯灯はそんな気持ちにならないように設置されてるんだがな」老人は笑いながら、本を指差した。
「その作者、相当ビール好きなのか作中によく出てくるんだ。それも美味そうな描写で」
まさに今読んでいる場面がそうだ。
「その本をビールに変える魔法をかけてやる」
本に手をかざしブクブク唱え始めた。酔っ払いに絡まれたのかとやっと気づいた。虚しく視線を戻す。
「…ビールだ」
老人は手を動かし見開きの下から上に影を動かす。青色灯の影は白地に黄色の影を落とす。途中で止め泡の部分を残した。
「本だけにな」という捨て台詞の意味は、ビールを飲みながら気がついた。
SF
公開:25/10/21 10:40
まずは自分が楽しむこと。
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吉田図工