クラフト

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 ゴッゴッゴッ……ゴクン。かーっ、んまい。ビールが亮太の喉を通る音が、気持ちいい。
「ほら、美奈も飲みなよ、美味いよ」亮太と暮らし始めて2週間、本物の良い笑顔だ。
「うん」ゴクゴク。「あーっ、うん、おいしい」
「でしょー? クラフトビールって楽しいんだよな。ね?」ゴッキュゴッキュ、っあ゙〜。
「ふふ。そうだね」亮太とのこの時間は素直に楽しい。
「じゃあ、こっちも食べて。クラフト鶏からに、クラフトポテサラ」
「ねぇ、何でもクラフトつけたらいいってわけじゃないからね?」
「いや、ホントに、こだわりの少数生産なんだから。食べてみてよ」
「いただきます。ん!」ゴクゴク、ゴク ン。「……んー、合う!」
「今度、美奈もクラフトおつまみ作ってよ」私は料理をしないというのに……。
「んー、まぁそうだね。亮太をつくって以来クラフトしてないもんね」
「え?」亮太の喉を生唾がゴクリと通る音に、私の口角が上がる。
その他
公開:25/10/16 21:09

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