慈悲深い

一人の女性が他人の墓に祈りを捧げていた。
近所の人達はなんて献身的な人なのだろう。と感心した。
翌日墓がもう一つ増えた。女性はもう一つの墓に祈りを捧げる。
近所の人達は感心した。自分達も彼女のように信心深くならなくては..
次の日も、次の日も、女性は祈りを捧げる。
その度に墓は増え続ける。
流石に近所の人達は不審がった。最近ここいらで通り魔が現れるとか。
そして被害者は今も行方不明だとか。
ある日一人の警察官が女性を問い詰めた。
その結果。女性が犯人だとわかった。
被害者は女性の手によって墓に変えられていたことが判明した。
法廷では女性に対して罵詈雑言が飛び交った。
だが女性は「死者を弔って何が悪い？！確かに彼らを殺したけど、それでも毎日彼らの為に祈り続けた！」反論した。だが虚しく女性の意見は通ることなく極刑がいい渡された。
そしてこの女性は最悪の極悪人として語りづかれるのであった。