ロッカーズロッカー

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制服に着替えていたら、ふとロッカーが傷だらけなことに気づいた。特に外側がひどい。何度も蹴飛ばしたような靴跡がついている。
「どしたの? なんかあった?」と声をかけてきたのは同僚だ。別に隠すことでもないから素直に答えた。
「このロッカー、新しく設置してもらったばっかりなのに、もうくたびれているんだよね」
「あら、ほんとだ」
「丁寧に使ってたのになぁ」
「忙しい時にぶつかったんじゃない? 私もよくやるもの」
気を遣って言ってくれたのはわかるけど、同僚のロッカーはピカピカだ。明らかにわたしのだけボロボロなのだ。
これ以上、傷まないよう、ロッカーをしまうロッカーが必要だと考えたわたしは、すぐに特注ロッカーの製作を自費で依頼した。
今日は納品日。
傷つけた犯人は判明しているから、あとは収納するだけだ。
ミステリー・推理
公開:25/10/16 10:29
更新:25/10/16 10:32

いちいおと( japan )

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintを使っています。

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