イナゴ

とある男は賭場をやっていた。
自分の縄張りを広げるためならありとあらゆる手を使い、血を流してでかくなっていった。
だがある日気づいた。
自分の行く先々で必ず白いイナゴがいることを。
そのイナゴは日に日に黒く変色していき、こちらを睨みつけているようだった。
男は幻聴、被害妄想に苦しむようになっていった。
当然そんな病的になった男から離れる者が増えていき、終いには裏切る者までの現れた。
とうとう男は権力もお金も全て失いホームレス生活の果てに道端で野垂れ死んだ。
男の体から魂が抜けてそのまま地獄へと落ちるかと思えたが男の魂は白いイナゴへと変貌した。
次の犠牲者を求めて。