オノマトペの夜

言葉の森に住むオノマトペの妖精たち。「音のことば」を司る者。
猫の「にゃー」、雨の「ぽつぽつ」、風の「そよそよ」……すべては彼らから生まれていた。

ある日、森に人間たちが入り込み、勝手にキャンプを始めました。
食べ物を広げ、騒音を響かせ、ゴミもそのまま。
妖精たちはぷんぷん怒ってしまいました。

「もう知らない！めちゃくちゃにしてやる！」

翌朝、世界は大混乱。
猫が「ワンワン」と鳴き、雨は「どんぶらこ」と降り、人々は「ペラペラ」と音を立てて歩きました。

困った人々は、ゴミを拾い清め、謝罪の言葉を伝えました。

やがて姿を見せた妖精は、笑顔で言いました。
「反省したみたいね。じゃあ元に戻してあげる！」

その夜。男がビールの栓を抜き、グラスに注ぎます。

「トクトクトク……」黄金色の泡。
「ゴクゴク」喉を鳴らす。

「やっぱりビールはこうじゃないと」

いつもの音を取り戻した夜でした。