無駄骨

私のレントゲン写真を見た医者は驚愕した。
どうやら私は普通の人に比べ、骨の数が多いそうだ。
昔はそういう人も結構いたそうだが、最近ではめっきり見なくなったという。
昔の人はこの骨を無駄骨と呼んだらしい。多すぎる骨は邪魔でしかない。
また、骨の数が多いが故に妖怪じみた見た目になる人もいて、骨が多い事は良くないものとされていたそうだ。
私の場合、見た目にはそれが分からなかった。だからレントゲン写真で驚かれた。
さっきも言ったが昔の人は無駄骨と呼んだこれ。今は予備骨と呼び名を変え、重宝されている。
予備骨はどんな骨にも変化する万能の骨。骨が折れ、失ってしまったその部分に予備骨をくっつけておくと、予備骨は失った骨に変化するという。
さらにその髄液は他者に移植する事で、その他者の体の中に予備骨を作る効果もあるそうで、注目されているという。
使わなければ無駄骨になるだけのそれ。思わぬ使い方に驚いた。