モチャランハチュピョコ

【モチャランハチュピョコ研究者】

居酒屋で俺達の前に現れ、風変わりな名刺を差し出してきた老齢の紳士。

「私は長年、幻の擬音【モチュランハチュピョコ】を探してきました。今初めて反応があったのです」

そう言って見せられた枝豆形レーダーには【モチャ…】と表示されていた。

「おそらく君達の誰かの喉に。モチャはビールを好む。私が奢るので是非協力してくださいませんか？」

そういう事ならと皆でビールを呷る。

ゴクゴク
グビグビ
コキュコキュ

…俺達の中にはいないようだ。申し訳なさそうに博士を見ると、興奮した様子で俺のジョッキにビールを注いだ。

「君っ！もう一杯！」

ゴッ、ラン…ピョ…モチャ、ラン、ハチュピョコ！

「…ついに見つけた！」

歓喜して博士がゴックゴックとビールを飲み干す。

今まで気づかなかった…と、喉を押さえて呟く俺に博士は言った。

「モチャは他の擬音に擬態するんだ」