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過去の記憶を体感できるビールが飲めるという酒場に入った。メニューを見て注文する。
「初恋ビールを頼むよ」
マスターがグラスにビールを注ぐ。聞こえるのはシュワッという炭酸が弾ける音ではなく、ドキドキ、キュンという胸の鼓動だ。グイッとグラスを空けると、中学時代に憧れたユキちゃんが現れた。二人で公園を歩いた遠い思い出。
気づくと彼女の姿は消えていた。一杯分はここまでか。
「次は青春ビールを」
今度はグラスからワーッという地鳴りのような歓声が聞こえる。高校時代、俺は野球に青春を賭けていた。地方大会決勝。一点差最終回二死満塁で俺の打席だ。球場全体が俺に注目している。
気づくと球場の歓声は消えていた。
もう一杯ずつ頼もうとして思い出した。あの後ユキちゃんに告白してあっさり振られた。あの試合は俺の三振で終わった。
マスターが忠告してくれた。
「飲みすぎると悪酔いしますよ。ほどほどに」
「初恋ビールを頼むよ」
マスターがグラスにビールを注ぐ。聞こえるのはシュワッという炭酸が弾ける音ではなく、ドキドキ、キュンという胸の鼓動だ。グイッとグラスを空けると、中学時代に憧れたユキちゃんが現れた。二人で公園を歩いた遠い思い出。
気づくと彼女の姿は消えていた。一杯分はここまでか。
「次は青春ビールを」
今度はグラスからワーッという地鳴りのような歓声が聞こえる。高校時代、俺は野球に青春を賭けていた。地方大会決勝。一点差最終回二死満塁で俺の打席だ。球場全体が俺に注目している。
気づくと球場の歓声は消えていた。
もう一杯ずつ頼もうとして思い出した。あの後ユキちゃんに告白してあっさり振られた。あの試合は俺の三振で終わった。
マスターが忠告してくれた。
「飲みすぎると悪酔いしますよ。ほどほどに」
青春
公開:25/10/12 07:16
更新:25/10/12 07:17
更新:25/10/12 07:17
老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
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