血を送る充電器

未来。
人工知能は発達し、一家に一台は人そっくりのロボットがいるようになった。
充電は、まるで点滴のよう。血液に似た青い液体をロボットに流し込む。電気より効率的で長持ちする。みんな、もっと人間に近づけたいんだろう。

キラキラとした青いタンクから、細い導線がすっと伸びて、首元の穴へつながる。
液体が流れるたび、まるで血が通っていくように見える。

充電中はロボットを動かさない方がいい。
かつての電化製品のように、負荷がかかり寿命が縮むから。
だけど私は充電しながら掃除をさせたり、ご飯を作らせる。一通り動かしてから、そっと触れる。

あたたかい。

その瞬間だけ、本当に生きているように感じる。
青い液体が全身を巡るたび、人間してくれてるような気がするのだ。

人間にしては、少し熱があるように思うけどね。
「お熱あるんじゃない？」と覗き込むと、
目を細めて、静かに言った。
「好きね。それ。」