違和感
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トクトクトクトク。妻の機嫌を表すように、グラスは心地よいリズムを刻んでいる。妻はわざわざ隣に来て、黄金比のビールを注いだ。しかしこれは、いつも手酌のわが家ではありえないことだった。
「ど、どうしたの?」
「何が?」
「いや、だってこうしてさ」
「ああ、たまにはね」
妻は笑顔を崩さず座っている。何だ? 誕生日や記念日はまだ先だし、外で何かあったわけでもなさそうだ。普段ならこちらが聞く前に話し出す。そうこう考えを巡らすうちに、ビールの泡は消えていった。
「飲まないの?」
不思議そうな顔で妻は見つめてくる。
「あ、ああ」
俺は一気にグラスを傾けた。喉越しも苦みも感じられない。残念ながら、今日の一杯は、俺の渇きを癒してはくれなかった。
「ど、どうしたの?」
「何が?」
「いや、だってこうしてさ」
「ああ、たまにはね」
妻は笑顔を崩さず座っている。何だ? 誕生日や記念日はまだ先だし、外で何かあったわけでもなさそうだ。普段ならこちらが聞く前に話し出す。そうこう考えを巡らすうちに、ビールの泡は消えていった。
「飲まないの?」
不思議そうな顔で妻は見つめてくる。
「あ、ああ」
俺は一気にグラスを傾けた。喉越しも苦みも感じられない。残念ながら、今日の一杯は、俺の渇きを癒してはくれなかった。
ホラー
公開:25/10/05 19:14
更新:25/10/06 17:59
更新:25/10/06 17:59
なまけ癖を克服するために、毎日物語を投稿しています。読んでいただけたら幸いです。
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