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私は影です。主はある日突然、車に乗せられてから戻って来ません。取り残された私は、この古家の玄関扉に声をかけられました。俺は鍵が掛かったまま錆びついて、もう動けない。君もこの一年で薄くなった。今動けるうちに、この家を出た方が良いと忠告されたので、ひび割れたガラスの隙間から昼の光の中へ飛び出しました。
外は駅へ急ぐ人々の影があり、その一つに身を重ねて駅中に入り込みました。そこには無数の影が集まっていましたが、私は肩を落として階段を降りていく若者の影を選びました。彼の影は私に元気付けてくれと頼みました。
彼は田舎へ帰る途中で、長時間列車に揺られ山里の古家に辿り着きました。
翌日から私達影は、朝から晩まで畑に出て若者を支えました。土に触れ風に吹かれるうち、若者は次第に笑うようになり、私達も自然と笑っていました。
私が消えるその日まで、この山里で薄くなった影を見つけ、元気付けて行こうと決めました。
外は駅へ急ぐ人々の影があり、その一つに身を重ねて駅中に入り込みました。そこには無数の影が集まっていましたが、私は肩を落として階段を降りていく若者の影を選びました。彼の影は私に元気付けてくれと頼みました。
彼は田舎へ帰る途中で、長時間列車に揺られ山里の古家に辿り着きました。
翌日から私達影は、朝から晩まで畑に出て若者を支えました。土に触れ風に吹かれるうち、若者は次第に笑うようになり、私達も自然と笑っていました。
私が消えるその日まで、この山里で薄くなった影を見つけ、元気付けて行こうと決めました。
ファンタジー
公開:25/09/26 09:20
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gonsuke