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キンキンに冷えたビールがやってきた。仕事終わりはこれにかぎる。
白い泡に口をつけ、一気に――。
『ピヨ』
ん?
『ピヨピヨ』
俺はすぐ店員を呼びつけた。
「おい、ビールは『ゴクゴク』だろうが」
「すみません、『ゴクゴク』は売り切れで……」
店員は申し訳なさそうに言う。
「じゃあ『グビグビ』でいいよ」
「そちらも品切れです」
どうやら『ピヨピヨ』しか残ってないらしい。何だよ『ピヨピヨ』って。
だが、飲むうちにその音が気に入った。けっこう可愛いのだ。
『ピヨピヨ……コッ』
あ?
俺は思わずむせ返った。
『コッ……コケーッコッ』
その瞬間、中ジョッキのお尻からぽこんと小ジョッキが生まれた。
『……ピヨ』
「ご注文ありがとうございます」
店員がすかさず伝票を追加した。
テーブル上にみるみるジョッキが増え、『ピヨピヨ』の大合唱が始まった。
ちくしょう、可愛いじゃねえか。
俺はたぶん常連になるだろう。
白い泡に口をつけ、一気に――。
『ピヨ』
ん?
『ピヨピヨ』
俺はすぐ店員を呼びつけた。
「おい、ビールは『ゴクゴク』だろうが」
「すみません、『ゴクゴク』は売り切れで……」
店員は申し訳なさそうに言う。
「じゃあ『グビグビ』でいいよ」
「そちらも品切れです」
どうやら『ピヨピヨ』しか残ってないらしい。何だよ『ピヨピヨ』って。
だが、飲むうちにその音が気に入った。けっこう可愛いのだ。
『ピヨピヨ……コッ』
あ?
俺は思わずむせ返った。
『コッ……コケーッコッ』
その瞬間、中ジョッキのお尻からぽこんと小ジョッキが生まれた。
『……ピヨ』
「ご注文ありがとうございます」
店員がすかさず伝票を追加した。
テーブル上にみるみるジョッキが増え、『ピヨピヨ』の大合唱が始まった。
ちくしょう、可愛いじゃねえか。
俺はたぶん常連になるだろう。
ファンタジー
公開:25/09/29 01:51
更新:25/09/29 18:30
更新:25/09/29 18:30
さすらいのショートショートガーデニスト。
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