お化け屋敷

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 圭太とのデートで、古いお化け屋敷に入った。案内のおじいさんが妙なことを言う。
「分かれ道が三つあるが、お二人、同じ道を進んでくだされ」
 私たちは顔を見合わせた。カップルで来ているんだから当り前じゃないの。

 最初の分かれ道は右に進んだ。一つ目小僧にろくろ首。あまり怖くない。
 二つ目の分かれ道は左に。今度はドラキュラ。これも大したことない。
 最後の分かれ道。
「ねえ、別々の道を行ってみない?」
「でも、案内のおじいさんが……」
「いいよ。気にしなくても」
 気が進まなそうな圭太を説き伏せ、私は右に彼は左に。今度は血みどろの首無しお化け。これも定番だ。
 最後のエリアを抜け外に出た。
 あれ、圭太がいない。ちょっと待っていようか。

 なかなか出てこない。もしかして……

 その時、後ろから突然誰かに手で目隠しされた。
「だあれだ」
「圭太、脅かさないでよ」

 振り向くと……
ホラー
公開:25/09/28 08:19

ナラネコ

老後の楽しみに、短いものを時々書いています。

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