お久しぶりです

「お肉様！お久しぶりです！」
一人暮らしをしている友人に肉の差し入れをすると滅茶苦茶喜ばれた。
「言っとくけどな、これは大げさでもなんでもないぞ。俺みたいな貧乏苦学生にとってお肉様は高根の花なんだ」
焼いた肉を口に入れ、しっかりと味わって食べる友人。
「美味ぇ…」
その反応を見れただけで持ってきた甲斐があった。
友人の食べっぷりに一緒に連れてきた肉の神様も驚いている。ちなみに、友人には肉の神様の姿は見えていない。
『そうか！そんなに美味いか！』
嬉しそうな肉の神様。ここ最近、肉の売り上げが悪く落ち込んでいた。
そのせいで若干引きこもり傾向になって、認知症の可能性を疑われている。少し前から肉の味もボケてきたと、肉を購入する人が減ってきた。…今、友人が食べているのはそんな肉だ。
友人の食べっぷりは肉の神様のいい刺激となった。
味ボケ防止の為にも、友人には定期的に肉を差し入れてやるとしよう。