鳥の広場

秋めいた早朝、家の周りの広場で二羽のカラスが喧嘩のようなツッツキあいをしていた。
鳴き声が変だ、一羽のカラスは関西弁の「アホカーアホカー」と鳴き、羽音を立てて怒っているもう一羽はこの地元らしく「カーカー」と大きく鳴いている。
二羽ともお互いの鳴き声の違いに気付いたのか、別世界の奴と思ったのか、少し静かになった。
いつも広場にいるスズメが二羽のカラスを褒める様に、優しく「チュンチュン」とさえずった。
上空を飛んでいたトンビの「ピーヒョロロ」の鳴き声も、弾んでいる。

いつの間にか四羽の声が綺麗な調和の取れた声に変わり、周りに響き出した。
広場は鳥達の美しく楽しい鳴き声に変わった。
旅ガラスはこの土地を気にいったらしく、スズメも安心した様だ、トンビは皆を青空の上空へ誘っている。
私が外へ飛び出すと、サット皆は上空に飛び去りいなくなった。
きっとこの広場は鳥達を仲良くさせる為にあったのだ。