人類諸君!

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本を開いていると、小さなクモがきて文字の上を這った。
「お前も読みたいの?」

ぼくはクモを飼うことにした。
クモは虫が好きでもぐもぐ食べた。
だから虫がいない日は困った。
しかたがないので、ぼくの指の皮をあげたら、くちを不器用に動かしながらまぐまぐ食べた。
クモはあっという間に大きくなった。
ある日、散歩していると。
少し前を歩いていた人間をじっと見つめだしたので、「やめておくれよ」と話した。
「人間なんてもう200人くらいしかいないんだから」
クモはじっとぼくの話を聞いていた。
それから人類は自然と数が減っていった。

今、ぼくたちはがらすけぇすの中にいる。
「この子がぼくの飼っているクモです!」
ぼくは誇らかに演説する。
お客さんは、服を着たタヌキやカバたちだ。
「へぇ~すごいねぇ」
「クモを手なずける人類なんて激レアぢゃね?」

そう、人類は絶滅危惧種になったのだ!
SF
公開:25/09/23 15:01

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