シャイマスカット

私は目立つことが大好き。学校の授業で発表したり、班のリーダーになったり。でも今日、友達に「出しゃばり」っ言われて落ち込んでいる。もう少しシャイな性格だったらな〜。

そう思いながら商店街を歩いていると、珍しいシャインマスカットを見つけた。

「食べるとシャイになれるマスカット」
この一言に胸が弾んだ。

ルンルンで家に帰り、さっそくマスカットを口にする。全て平らげた頃には、ものすごくシャイになっていた。

机にぶつかりそうになって恥ずかしい。
唇がかさかさで恥ずかしい。
しまいには、お母さんに話しかけられるだけで恥ずかしくなってしまった。

ふと、先ほど食べた袋を見ると、紫色のぶどうが一粒残っていた。
食べ忘れていたなんて恥ずかしい、と思いながらパクリ。すると、次第に恥ずかしさがなくなる。

袋に書かれた文章をよく見ると、
「シャイになりすぎた際には、ポジティブドウをお召し上がりください」