金の切れ目は……

僕の財布には小銭が多すぎる。
しかも100円以下のほんとに純粋な小銭ばかり。逆に紙切れはレシートばかり……
そう、金欠……
今月の前半で色々使っちゃったので、まあ、仕方ないっちゃないんだけど……

「はじめまして……」
「久しぶり！」
「元気してた？」
今日はやたらと人と会う。初見だったり、懐かしい顔だったり、いつもの顔だったり。そんなこんなで今日のご飯代は、その誰かたちが奢ってくれた。

もうお金？なんてどうでもいいや。


「あ、あのう……」
振り向くとそこにはマドンナの瞳ちゃんが！
「あ、やぁ……」
ぎこち無く答える僕。
「今日、空いてる？」
「もちろん！」
即答する僕。
その時、ズボンのポケットに入っていた財布が飛び落ちた。中身も飛び出す始末。
それを拾おうとした刹那、僕は悟った。財布から零れ落ちたのは51円玉ばかり。
きっとこれは、金欲を経た後の五円、ご縁なんだ！