ライバル

子どもの頃、俺は将来プロゲーマーになるんだと本気で思っていた。
だがそんな俺の鼻は見事に折られた。隣のクラスに俺より上手い奴がいた。
「プロゲーマー？なれるわけないじゃん」
そいつはあっさりと言い切った。
悔しさがこみあげてくる。だから俺はさらに練習した。
１週間後、リベンジしようと隣のクラスを覗くと、そいつは学校にいなかった。
難病を抱えていたそいつは、また病院に戻ったんだと教えられた。
悔しかった。馬鹿にされた挙句、勝ち逃げされるなんて！
だから俺はその日から勉強に力を入れた。そいつの病気を治し、絶対にぎゃふんと言わせてやる！

…あれから２０年経つ。俺は医者になり、そいつの病気を治した。
俺はそいつにゲーム機のコントローラーを渡す。
「懐かしいなぁ…だいぶブランクがあるから手加減してくれないか？」
奇遇だな。俺も誰かさんの病気を治す為、かなりブランクができた。
悪いが手加減はなしだ。