友達ロボット

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 親友の恭平と喧嘩し、絶交してしまったので、話し相手に友達ロボットをレンタルした。

 やって来たのは注文通り、俺と同い年くらいの若者。よくできていてまるで人間だ。さっそく部屋でバカ話をする。
 世間のあらゆる情報がインプットされているのか、ロボットはどんな話題にもついてくるし、何より俺の気に障ることを言わない。これは快適だ。

 テレビをつけるとプロ野球の試合をやっている。巨人阪神戦で阪神が大量リード。俺が喜んで手を叩くとロボットも手を叩いてくれる。でも、どうも物足りない。
 巨人ファンの恭平なら、こんな時、不機嫌になってテレビ消せよとか言ってきて口喧嘩になるのだが、ロボットはあくまでも従順だ。

 ロボットが帰った後、スマホを開き、仲直りのラインを恭平に入れようとした。すると彼からラインが来ていた。

ー久しぶりに遊びに行ってもいいか? 友達ロボット借りたけど、つまらなくってさ。
SF
公開:25/09/08 18:08
更新:25/09/08 18:10

ナラネコ

老後の楽しみに、短いものを時々書いています。

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