情熱

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真夜中に一人だけ乗れる小さなロケットが、静かに火星に向かって飛び立った。このロケットの推進エネルギーは人の情熱だった。
男は以前からロケットを研究しており、より軽いロケットの開発を考えながら山歩きをするのが日課であった。
或る時男の目の前に小さなボールが転がって来た。ボールから声がして、私を火星に帰らせて下さいと言った。
男はボールを持ち帰り、火星からどのようにして飛んで来たのかと聞くと、ボールは地球へ行きたいという強い情熱をエネルギーに変えて、丁度火星の横で強い爆発もあり、その隕石が地球へ向うと聞いたので一緒に来たと言う。

その日から男はこのボールと一緒に、火星に行こうと情熱を燃やし続けた。飛び出す日の朝、遂に巨大なエネルギーに変換出来、火星に飛び出し着陸する事に成功した。
地球でのNASA火星望遠鏡に情熱で光続ける男の姿も映し出された。何と火星には既に地球人がいると大騒ぎになった。
ファンタジー
公開:25/09/12 07:30

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