名画でショート076『食料』(ヴォルス)
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農夫たちは、畑から生えてきた作物を見て、唖然とした。
この畑には、小麦を植えたはずだった。それなのに、成長したのは黒く尖った謎の植物だった。
最初、これは雑草かと思った。除草剤を撒いたが効かず、なにより畑一面が黒い植物に埋め尽くされたので、「これは新種の小麦だ」と諦めるしかなかった。
「とりあえず収穫してみよう」
農夫たちは育った黒い何かを刈り取り始めた。植物の実は小さく、不思議なひげのようなものが映えている。
「とりあえず製粉してみよう」
石臼で引くと粉になった。小麦粉と呼ぶべきかどうかわからないが。
「パンを焼いてみよう」
すると、思いもよらず、綺麗なパンが焼きあがった。ほんのり黒い。
「では食べてみるか」
そう農夫はつぶやいたものの、だれも口にするものはいない。しかたなしにちぎってまくと、雀がやってきてパンを口にした。そして、何事もなく飛び去る。
農夫たちは一斉にパンを食べ始めた。
この畑には、小麦を植えたはずだった。それなのに、成長したのは黒く尖った謎の植物だった。
最初、これは雑草かと思った。除草剤を撒いたが効かず、なにより畑一面が黒い植物に埋め尽くされたので、「これは新種の小麦だ」と諦めるしかなかった。
「とりあえず収穫してみよう」
農夫たちは育った黒い何かを刈り取り始めた。植物の実は小さく、不思議なひげのようなものが映えている。
「とりあえず製粉してみよう」
石臼で引くと粉になった。小麦粉と呼ぶべきかどうかわからないが。
「パンを焼いてみよう」
すると、思いもよらず、綺麗なパンが焼きあがった。ほんのり黒い。
「では食べてみるか」
そう農夫はつぶやいたものの、だれも口にするものはいない。しかたなしにちぎってまくと、雀がやってきてパンを口にした。そして、何事もなく飛び去る。
農夫たちは一斉にパンを食べ始めた。
SF
公開:25/09/11 22:24
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