昆布
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「昆布だ」
私は昆布を拾って海から上がった。
「乾かそう」
特技の火熾しスキルを駆使して焚き火を生み出し、その熱気で昆布と私の身体を乾かした。
「竈を作ろう」
特技の建設スキルを駆使して石製の竈を作成し、焚き火の火力を調理に利用出来るようにする。
「出汁をとろう」
良く良く乾いた昆布がたくさんと神秘の海の海水を煮詰めると、なんとも言えず腹の底をかき乱すような得も言われぬ薫りが周囲を漂いだす。
昆布を抜き取り、何度も何度も不純物を濾し取る。
「味見だー」
口の中にスープを注ぐのは、魂にガソリンを注ぐ行為に似ている。
煮えたぎったスープが舌と喉を焼く刺激は芳醇な旨味を引き立てるちょっとしたスパイスだ。
海そのものの滋養を凝縮したような昆布スープは波が砂を攫うように私の心を攫っていく。
攫われた心の変わりに昆布が私の脳髄の中心を占める。
これからは昆布スキルだけを磨いていくこととなるだろう。
私は昆布を拾って海から上がった。
「乾かそう」
特技の火熾しスキルを駆使して焚き火を生み出し、その熱気で昆布と私の身体を乾かした。
「竈を作ろう」
特技の建設スキルを駆使して石製の竈を作成し、焚き火の火力を調理に利用出来るようにする。
「出汁をとろう」
良く良く乾いた昆布がたくさんと神秘の海の海水を煮詰めると、なんとも言えず腹の底をかき乱すような得も言われぬ薫りが周囲を漂いだす。
昆布を抜き取り、何度も何度も不純物を濾し取る。
「味見だー」
口の中にスープを注ぐのは、魂にガソリンを注ぐ行為に似ている。
煮えたぎったスープが舌と喉を焼く刺激は芳醇な旨味を引き立てるちょっとしたスパイスだ。
海そのものの滋養を凝縮したような昆布スープは波が砂を攫うように私の心を攫っていく。
攫われた心の変わりに昆布が私の脳髄の中心を占める。
これからは昆布スキルだけを磨いていくこととなるだろう。
その他
公開:25/09/11 11:03
昆布
海藻
海
スープ
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