0
2
「ソムヌスレスを?」
両親は生後間もない我が子を見据えながら頷く。
「あらゆる教育に国からの支援があるなら是非」父親は答えた。
「本当にいいんですね?」医師は母親を向く。
「それがこの子の為にもなるはずです」母親も答えた。
「わかりました。では処置に入ります」
赤子の眠る台座は精密機器の中へと格納された。
「それで博士は不眠不休で研究できるのですね」助手はあくびを堪えながら聞いた。
「ああ、国は不眠を選択した国民にあらゆる学費免除をした。お陰で私はあらゆる教育を受け、今の役職を得ている」
「博士は今おいくつですか」
「今年で20歳だ。一度も寝ていないから活動年齢は30歳に相当するかな」
「寝ない研究者は国益ですよね。でも何か皮肉なもんですね」助手は口が滑ったとすぐに謝る。
「かまわんよ。これが承認されたら…」
開発中の睡眠薬をつまみ、窓越しに満月と重ねた。
「やっと眠ることができるよ」
両親は生後間もない我が子を見据えながら頷く。
「あらゆる教育に国からの支援があるなら是非」父親は答えた。
「本当にいいんですね?」医師は母親を向く。
「それがこの子の為にもなるはずです」母親も答えた。
「わかりました。では処置に入ります」
赤子の眠る台座は精密機器の中へと格納された。
「それで博士は不眠不休で研究できるのですね」助手はあくびを堪えながら聞いた。
「ああ、国は不眠を選択した国民にあらゆる学費免除をした。お陰で私はあらゆる教育を受け、今の役職を得ている」
「博士は今おいくつですか」
「今年で20歳だ。一度も寝ていないから活動年齢は30歳に相当するかな」
「寝ない研究者は国益ですよね。でも何か皮肉なもんですね」助手は口が滑ったとすぐに謝る。
「かまわんよ。これが承認されたら…」
開発中の睡眠薬をつまみ、窓越しに満月と重ねた。
「やっと眠ることができるよ」
SF
公開:25/09/10 15:52
まずは自分が楽しむこと。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます