騙される女

「愛しているよ」「君が一番だ」
私に近寄ってくる男は皆、私に甘い言葉を囁いてきます。
でも男なんて口先だけ。私を本気で愛してくれる男なんて一人もいない…なのにもしかしたらと信じ、いつも裏切られる。その騙されやすさ故、私は自己嫌悪の沼にハマりやすいです。
『大丈夫だよ』『君は素敵さ』
私を慰める男の声。その中には先月、私から４００万円を奪っていった元カノのものもあります。
当時は悲しくて、悔しくて…それでも私は彼を見つけ出し４００万円を奪い返しました。あと彼の唇も奪いました。彼の唇を私のものにしたくて彼を殺しました。
死人に口なし。死んでしまった彼にこれはもう必要ありません。これが必要なのは私です。
文字通り口先だけとなった元カレ。他の元カレの唇同様、一生懸命私に愛を囁きます。それが可愛くてたまりません。
私にこんな一面があるなんて意外ですか？
よく言われるんです。見た目に騙された、って。