キノコ採り
0
1
山歩きが趣味の友人に誘われて、渓谷沿いの遊歩道を歩いた。澄んだ空気に鳥の声、時折吹き抜ける涼風。気分は爽快だったが、友人は風景そっちのけで地面ばかり見ている。
「キノコって探し始めると止まらないんだよ」と言いながら、倒木や落ち葉の下を覗き込み、次々と写真を撮っていく。赤い笠に白い点、真っ黒なやつまで、私は名前も知らないキノコばかり。最初は面白がっていたが、だんだん飽きてきた。
「そろそろ休もうよ」と声をかけても、友人は聞いていない。夢中になってしゃがみ込み、地面をひっくり返し、さらに林の奥へ進んでいく。その姿はまるで自分自身が森に根を下ろしてしまったかのようだった。
気づけば、もう何時間も探し続けている。私は冗談半分に言った。
「そんなに探してたら、そのうち自分にキノコ生えてくるんじゃない?」
すると友人は振り返り、額の汗をぬぐいながらぽつり。
「……それなら未発見の新種だな」
「キノコって探し始めると止まらないんだよ」と言いながら、倒木や落ち葉の下を覗き込み、次々と写真を撮っていく。赤い笠に白い点、真っ黒なやつまで、私は名前も知らないキノコばかり。最初は面白がっていたが、だんだん飽きてきた。
「そろそろ休もうよ」と声をかけても、友人は聞いていない。夢中になってしゃがみ込み、地面をひっくり返し、さらに林の奥へ進んでいく。その姿はまるで自分自身が森に根を下ろしてしまったかのようだった。
気づけば、もう何時間も探し続けている。私は冗談半分に言った。
「そんなに探してたら、そのうち自分にキノコ生えてくるんじゃない?」
すると友人は振り返り、額の汗をぬぐいながらぽつり。
「……それなら未発見の新種だな」
青春
公開:25/09/05 16:32
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます