スイカ割り
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夏はやっぱり?――そう聞かれたら、誰だって「スイカ!」と答えるはず。冷やした甘さにかぶりつく瞬間こそ夏の象徴だ。
だが今年、うちの畑ではスイカがひとつも実らなかった。代わりにゴロゴロと転がっているのは冬瓜ばかり。仕方なく友人たちを呼んで「スイカ割り」ならぬ「冬瓜割り大会」を決行した。
タオルで目隠し、棒を振り下ろすと、鈍い音とともに冬瓜が真っ二つ。中身は真っ白で、水っぽいだけ。友人たちはスプーンで一口試したが、甘さゼロに一斉に顔をしかめた。
沈黙ののち、誰かがぽつりとつぶやく。
「……夏はやっぱり、スイカだ」
全員が深くうなずき、割られた冬瓜はそのまま味噌汁の鍋へと消えていった。
だが今年、うちの畑ではスイカがひとつも実らなかった。代わりにゴロゴロと転がっているのは冬瓜ばかり。仕方なく友人たちを呼んで「スイカ割り」ならぬ「冬瓜割り大会」を決行した。
タオルで目隠し、棒を振り下ろすと、鈍い音とともに冬瓜が真っ二つ。中身は真っ白で、水っぽいだけ。友人たちはスプーンで一口試したが、甘さゼロに一斉に顔をしかめた。
沈黙ののち、誰かがぽつりとつぶやく。
「……夏はやっぱり、スイカだ」
全員が深くうなずき、割られた冬瓜はそのまま味噌汁の鍋へと消えていった。
青春
公開:25/09/05 16:19
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