戦う湖

湖がまるでアメーバがはうようにして、動いていき、前方のものと場所を入れ替えて周りにあった建物が代わりに隙間を埋めて進む。
各地の湖は移動してはくっつき、ついに日本中の湖が1つの湖になった。
すると、その噂を聞きつけ、今度は世界中から各国の湖が1つになって国の代表として集まってきた。
どうやら湖たちは世界一広い平原に集まっているようだ。そして今集まった各国代表の湖が、何やら勝負をするらしい。
いよいよ試合が始まった。
湖同士の激しいぶつかり合い。
大きな水しぶきをあがり、まるで辺りは嵐でもきたかのようだった。
しかし、やがて湖たちは疲れて戦いをやめた。
いつの間にか湖たちは静かに並んですわり、海を眺め、お互いに自分の国について語り合い、ついに和解したのだった。
その時の和やかな語り合いが忘れられず、それからのいうもの、毎年その平原で湖たちの会合が行われるようになったとかならなかったとか。