校舎の鏡

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「鏡の噂、覚えてる?校舎の階段の踊り場」
「あったね、そんな話」
ウッシッシッと怪しげに得意げに笑う幼馴染。昔からオカルト系の話が好きで、今も趣味でブログを運営しているらしい。

母校の小学校の取り壊しが決まった。
ただ、惜しむ声は多く、希望する卒業生は入校してよいという企画が立った。
今日がその当日。夕暮れ時、懐かしい顔もチラホラ見かける。

「噂、確かめに行こっか」
それが狙いだったか。イベント自体、彼女に誘われて来た。

大きめの鏡の前に並んで立つ。
何もないね、と言おうとしたとき、隣でボソッと何か呟いた。一瞬、小さな女の子が二人、見えた気がした。
「これできっと大丈夫」
彼女は胸を撫で下ろしている。
「今、女の子が。何かやったの?噂の内容って確か……」
「将来の姿を教えてくれる。でも、見えたならお礼に行かないと呪われる」
だんだんと思い出してきた。
「昔、巻き込んじゃってごめんね」
ホラー
公開:25/08/24 17:08

いぬさか( 関東 )

初心者ですがよろしくお願いします。
心に浮かんだシーンを気ままに描いていきたいです。
同名で NOVEL DAYS でも活動しています。

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