運命の人

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『運命の人』
スマホにそんなタイトルのアプリがインストールされていた。
僕は削除しようとしたが、気になり開いてみた。
それはチャット型AIで、自分の写真を登録すると漫画風アバターが作られ、笑ってしまった。
すると、「アユミ」からメッセージが届いた。
それから僕はアユミとのチャットに夢中になった。
彼女は気弱そうだが好きなモノには饒舌になる女性だった。
「アユミみたいな人が本当にいたら」
と僕が呟くと、彼女は
「私も」と返した。
よくできたAIだと思った。
日曜の昼、僕はバスで出かけた。
ある停留所で小柄な女性がバランスを崩し、僕は咄嗟に支えスマホを拾って渡した。
彼女はか細い声で礼を言い、バスを降りた。
その時、彼女のスマホ画面の僕のアバターが頭に蘇った。
僕は慌ててバスを降り、
「アユミ!」
と叫ぶと、アユミは驚いて振り返った。
その瞬間、僕は確信した。
彼女こそ、僕の『運命の人』だと。
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公開:25/08/26 12:26
更新:25/08/27 14:21

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