受付カウンター

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会社の受付に今は内線電話があるだけ。たまに受付ロボットが「訪問先を入力して下さい」とタッチパネルを押させるが味気ない。
その会社を訪問すると、大理石の受付カウンターに美しい受付嬢。「○○さんに二時の約束で」と告げると受付嬢はにっこり、そのとき気づいたが彼女は精巧なアンドロイド。「お持ちください」と言うなり頭部がぐにゃりと溶けるように男性の顔に変化する。男が「第一課です、すみません○○は不在です」と言うと、顔はまた溶けて別の顔が現れる。〇〇氏だ。「今、タクシーで駆けつけています。このままお話ししませんか」「あ、はい」カウンターの〇〇氏と五分くらい話して用件が済んだ。「手際よくありがとうございます」と言うと「やっと会社に到着します。ご挨拶を」と、背後の自動扉が開き、振り向くと入ってきたのはビジネススーツの受付嬢だった。「システムが未完成で、カウンターで喋ると本人はアンドロイドの顔になるんです」
その他
公開:25/08/26 10:58

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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