気のせいとカレーの呪文

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かとり線香に火をつけると、部屋の温度が下がったように感じる、それは単なる気のせいで、けれど、その、気のせい、で、すこしは快適になったかなと思えるのなら、気のせいだって、そんなに悪くない

今夜はカレーよ

タカキに言うと

カレー一杯につきお水コップ半分
コップ一杯ならカレーは二杯
やったー、おかわり、おかわり

わけのわからないことを、何かの呪文のように言う

おとなには、わけがわからなくても、こどもにとってはそれぞれが大切で、そして、真理だ
その逆も当然あって、こどもにとっては、わけがわからないことを、おとなは、そういうものだから、と、安易におしつけてしまう

無意識に  そういうこと  きっと  あるのだろうな

タカキは、宣言どおり、カレーをおかわりする
わたしも負けずに、おかわりする
わたしが横をとおると、かとり線香の煙が、ふいとゆれた





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その他
公開:25/08/22 15:53

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