退学に怯えながら世界一周

夏休みを利用して世界一周の旅に出ることにした。帰国が間に合わなければ退学という危機に怯えながらの世界一周。これも旅のスパイスといえよう。

驚くほどの美味に出会えることが、この旅の醍醐味。台湾のマンゴー、ブラジルのオレンジ。どれも日本で食べられるが、飛び上がるほどの美味しさは現地でしか味わえない。

今の私は現地の治安より交通機関の遅延が怖い。日本と比べて時間に正確でないが、数時間遅れることはよくある。こればかりはどうにもならない。

面白いことに、そういう時に限って人との出会いがある。話が面白い初老の男性、現地に留学中の女子学生、ご好意で家に招待してくれる親切な住民。サービス精神旺盛な私は旅の思い出話を存分に語ると大いに盛り上がり、更に出発が遅れてしまうのだ。

帰国の日が近づいている。楽しくてやめられないが、同時に退学の危機が迫っている。時間を気にしながら今日も旅を続けるのだった。