あきらめずに

1
3

全部無になり闇雲に知らない道を歩いていた。毎日見ていた山に、一方通行の様に人々が上へと登っていく。
一緒に行くと痛っ、小石を踏んだ。裸足だ、靴を履いてたのに。休みたいと思った時、休憩所が現れた。登っていた人達と休んでいると、白衣の老人が来て、後は下りばかりですよと、先の道を行くように指示した。こんどは滑らかな道だ、足も痛くない。前の一人が虹だ、別の一人が光が見えたもうすぐ到着だと言ったが私には深く暗い谷底だけが見えている。これ以上行くのは止めよう。
私は下って来る人にぶつからない様、脇に避けながら今来た道を休憩所へ戻った。
老人はまだ居た、白衣が羽の様に見えたので目を擦ると老人が私に気付いた。貴方は道を間違えましたね、靴だけが残っていますよ、貴方はもう山も谷も超えて来たのだから、先人が通ったこの道を行けばきっと良い事がありますよと告げた。
気付くと飛び出た家の前にいた、靴をしっかり履いた。
ファンタジー
公開:25/08/08 10:51

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容