正直な鼻

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「ピノキオォォォォォオ!!!」
 流されてるー!メッチャ流されてるー!
 流れハエー!てか沖!完全に沖!お爺ちゃんは泳げないし、木製の身体は水を吸ってズッシリ重い。腕すら上がらん。周りは何にも浮いてない。もう……ダメ……
 そのとき、天啓が降りる。
「お爺ちゃーん!」
「なんじゃーーー!」
「お爺ちゃんのご飯、世界一おいしいし!超頭いいし!僕のヒーロー!一緒にいてマジで幸せ!」
 シャーッ!鼻グイグイ伸びた!これで引っ張ってもらえば。
「お爺ちゃん!」
「なんでや……なんでや……」
「お爺ちゃん?」
「あんまりじゃーーー!」
 泣きながらどっか走り去ってしまった。
 結局、たまたま泳いでた知らないおじさんに助けてもらって、家には無事帰れました。が。空気は重く、溺れている時より息苦しかったとさ……めでたしめでたし。
「お爺ちゃん……海で言ったの。本当にホントだからね?」
「鼻。伸びとるぞ」
その他
公開:25/08/11 11:01
更新:25/08/12 12:57
ピノキオ ファンタジー コメディー

江戸前餡子( あなたの心の中 )

勉強中が故、感想を頂けたら幸いです。

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