ブレーメンはまだ遥か

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 故郷を振り返りたくなるような旅をしたことがあっただろうか。いつも直に帰らなければならないのだろうなと思っていた。それはその地で往生するとか定住するとか、旅の間に故郷が失われてしまうとか、そんなことは思いもよらなかった。今も割とそうだ。

 門司だったか下関だったかの駅に泊まったとき、やんちゃな自転車乗りの中学か高校生等に囲まれて珍しがられてお菓子の残りと包装紙を渡されたりした。都内の大学に通っていることを話したら、東京は怖いところだと口を揃えて言っていた。この国にも情報操作はあるのだろうと薄々気づき始めたのはその頃だった。
 屋根や壁がないと寒い。何か物を食べないと体温もあがらない。気力もでない。夜の石の床は冷たくとても横になれるものではない。短い日数だったが、それなりに、いろいろなことを感じ学んだ。
 けれど大人はけっこう苦労するものだということはまだはっきりとは認めてはいなかった。
青春
公開:26/01/30 00:33

御番茶序曲( ここ )

大学生のときは哲学をやっていました。今はWEBエンジニアをやっています。言葉を磨きたくなって人間向けの文書を作るためにここに来ました。煽て頂けると嬉しいですが厳しい言葉も歓迎する予定です。違っていたらすみません。よろしくお願いします。

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