ぷちっと。

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 また奴の声が聴こえる。体躯数十メートル。筋肉質で緑暗色の皮膚、目は血走り、もはや瞼との境すら曖昧だ。振り上げた拳は易々と家の屋根を弾き飛ばし、雄叫びをあげたかと思うと、ベッドに貼り付けになっている私を鼻先三寸のところまで覗き込んだ。言葉なくとも侮蔑とわかる嘲笑をひとしきり楽しんだ後、その姿は消え去った。浮かぶ夜空には、ありもしない星の海と月だけが居残っていた。
その他
公開:26/01/24 01:59

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