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城門の脇に、依頼板が立っていた。
冒険者たちはかつて、一枚ずつ紙を剥がし、丁寧に読んでいた。
討伐、護衛、採取。
やがて紙は重なり、誰も全部は見なくなった。
読む者は減り、貼る者だけが残った。
釘を打つ音だけが、毎朝同じ調子で響いた。
ある日、奇妙な紙が貼られた。
依頼でもなく、作品でもなく、
ただ日時と場所だけが書かれていた。
誰も剥がさなかった。
別の紙が、その上から重ねられた。
翌日から、数人が貼るのをやめた。
別の者は、内容を気にせず貼った。
紙と紙のあいだに、自然と隙間ができた。
管理官は来ない。
選別も行われない。
それでも板は埋まりきらず、
重なり方だけが変わり、
奥に細い風が通った。
依頼板は直らない。
何を貼る場所かも、決め直されない。
ただ、
貼る側が「どう貼っていたか」を
思い出さなくてもよくなっただけだ。
冒険者たちはかつて、一枚ずつ紙を剥がし、丁寧に読んでいた。
討伐、護衛、採取。
やがて紙は重なり、誰も全部は見なくなった。
読む者は減り、貼る者だけが残った。
釘を打つ音だけが、毎朝同じ調子で響いた。
ある日、奇妙な紙が貼られた。
依頼でもなく、作品でもなく、
ただ日時と場所だけが書かれていた。
誰も剥がさなかった。
別の紙が、その上から重ねられた。
翌日から、数人が貼るのをやめた。
別の者は、内容を気にせず貼った。
紙と紙のあいだに、自然と隙間ができた。
管理官は来ない。
選別も行われない。
それでも板は埋まりきらず、
重なり方だけが変わり、
奥に細い風が通った。
依頼板は直らない。
何を貼る場所かも、決め直されない。
ただ、
貼る側が「どう貼っていたか」を
思い出さなくてもよくなっただけだ。
ファンタジー
公開:26/01/31 23:59
更新:26/01/19 06:46
更新:26/01/19 06:46
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