無題

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 蛙を食ったら死んだ。秀雄の屋敷に仕えていた女中の言い分だそうだ。たしかに彼の奇食譚には弁えがないように思えたが、燕尾服に身を包んで語るその様相から、何かに喰われる姿は想像していなかった。だからこそ皆女中の話を信じようとはしなかった。十能から取り出した炭を銅の火鉢に放り込む。赤土色の着物には結った髪から抜け落ちたであろう白髪がまばらに散っている。一尺に足らない火箸が縁を叩いた時、女中は口を開いた。残る燠火に灰をかけた者がいたかは定かではない。
その他
公開:26/01/23 00:12

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