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町を歩いていたら、「忘却屋」という看板がかかった店があるので入ってみた。
店員が座っている。
「ここはどんな店だい。忘却屋というからには、嫌な記憶を忘れさせてくれるとか」
「ご推察の通りです」
「どんな客が来るの?」
「たとえば、幼い頃、親に虐待された記憶を消し去りたいという方です。嫌な記憶がトラウマとなり、ずっと苦しめられる。そんな方は忘却によって、人が変わったように明るくなられます」
「料金は高いんだろうね?」
「いえ、本当に困っている方からは、お金を頂きません」
「それじゃ儲けがないだろう?」
店員はにやりと笑って答えた。
「頂ける方からは頂戴しておりますので、ご心配なく」
「じゃ、俺も消し去りたい記憶ができたら来るよ」
そう言って出ようとした時、店に電話がかかってきた。店員が電話に出たすきに、俺は店員の手元の顧客名簿を覗いてみた。
ずらりと政治家の名前が並んでいた。
店員が座っている。
「ここはどんな店だい。忘却屋というからには、嫌な記憶を忘れさせてくれるとか」
「ご推察の通りです」
「どんな客が来るの?」
「たとえば、幼い頃、親に虐待された記憶を消し去りたいという方です。嫌な記憶がトラウマとなり、ずっと苦しめられる。そんな方は忘却によって、人が変わったように明るくなられます」
「料金は高いんだろうね?」
「いえ、本当に困っている方からは、お金を頂きません」
「それじゃ儲けがないだろう?」
店員はにやりと笑って答えた。
「頂ける方からは頂戴しておりますので、ご心配なく」
「じゃ、俺も消し去りたい記憶ができたら来るよ」
そう言って出ようとした時、店に電話がかかってきた。店員が電話に出たすきに、俺は店員の手元の顧客名簿を覗いてみた。
ずらりと政治家の名前が並んでいた。
その他
公開:26/01/17 08:27
老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
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ナラネコ