眠っている縁

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白紙のページが数枚だけ残った、古い手帳。

年賀状のやりとりだけが続く名前、
もう会わないと分かっていて消せない番号。

彼はそれらを整理せず、
机の引き出しの奥に戻す癖があった。

使わなかった縁ではなく、
使いきれなかった時間として残しておくためだ。

そのとき、部屋のどこかで電話が短く鳴り、
彼は受話器を取らないまま、音が切れるのを待った。

最近は、新しい人と出会うより、
昔の声を思い出すことの方が増えている。

手帳は閉じられ、
明日の予定だけが静かに書き足された。
その他
公開:26/01/17 07:15

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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