師匠のてるてる坊主

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水たまりの表面に張った陽光を湯葉の様にさっと掬い上げ、厚さを均一にしてから風にさらす。こうして出来た陽だまりの布に蒲公英の綿毛を詰め、まん丸頭を作りきゅっと紐で結べば師匠のてるてる坊主の完成だ。鮮やかな技。僕は師匠を心から尊敬している…が、理解できない事が一つ。

今、僕達は人気ラーメン店の行列に並んでいる。横に並ぶ師匠の肩には無数のてるてる坊主が吊るされた竿竹。今日こそ聞く!

「師匠、何故いつも完成したてるてる坊主たちと行列に?」
「てる坊たちの待つ心を育ててんだ。こんなちっこい奴らの願いはそう簡単にお天道様には届かねぇだろ?だからどんな曇天でも「絶対お天道様を呼べる!」って信じて気長に待ち続けられる心が大切なんだ」

この謎行動にそんな深い意味が!?それなら…

「この店を選んだ理由は?」

それもあるに違いない!尊敬の眼差しを師匠に向ける。

「チャーシューが分厚くてうめぇからだ」
公開:26/01/19 01:24
更新:26/01/18 19:24
晴天祈願

ネモフィラの旅人( 風の向くまま )

旅人なのでいたりいなかったりします

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