沈黙のギルド都市 ― 見えない問題

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ギルド都市の評議会が集まった。若き冒険者の離脱が増えている。
長老が言う
 「祭りや宴を増やそう」。場は静まり返り、誰も否定しない。
だが俺たち若手は目を伏せ、心で「いや、それじゃない」と呟いた。

 半年後、退団者は急増した。祭りの日、俺は宴を抜けて洞窟へ向かう。隣には魔法使いリナ。
裂けた袖のまま仲間を癒し、「こんな宴より依頼の方が現実的だよね」と苦笑した。

俺たちは薄い報酬という夢を研ぎ、誰にも見えぬ地図を歩き、包帯は巻けても言葉はもらえなかった。
都市は賑わうほど心は沈み、欲しかったのは派手な楽しさではなく、安心して成長できる仕組みだった。

 再び評議会の部屋。椅子は空き、沈黙だけが壁に返る。
書記官は記す。「見える問題ばかり解決して、見えない問題を放置するギルドに未来はあるのか」。
問いが漂う中、師匠が肩を叩いた。「続けるなら、ここからだ」。リナが頷いた。
ファンタジー
公開:26/01/22 07:00

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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