写実(松江・新見・日南):民主集中制

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 俺は新聞記者をやっている。一般商業紙だ。転職前の職場では俺たちのような新聞社は「ブル新」と呼ばれていた。いつまでその用語を使うのだと不愉快だった。俺は老舗政党の県委員会で仕事をしていた。記者兼役員だ。県内で俺たちの地区員会はすべて警察署の近くにある。とくに監視されているわけではない。俺は転職ばかりしていたから、ここが先途と思って党の決定を妄信した。何かにすがる生き方は楽だ。県委員として全県の支部を巡る一方で記者として取材をした。赤い報道腕章は俺の誇りだった。あるとき、いかにも御用新聞といわんばかりの白腕章の女性記者と会った。彼女は政経部で俺たちの政党担当者だった。何度も顔を合わせていれば好意が湧く。今はないが、松江テルサで中央委員会のトップが講演した。彼女も取材に来ていた。俺はそっと携帯番号を彼女に渡した。その後、俺は中央の書記局から専任通信員(県記者)を解任された。自由恋愛はなかった。
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公開:26/01/13 08:17

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